小学生ランナーに必要な栄養と食事とは?アスリートフードマイスターの母が、栄養の基本、レース前後の食べ方、疲労回復のポイントなど、家庭でできる工夫を紹介します。
小学生ランナーは「成長+持久力アップ」のための食事が必要
小学生は、ただでさえ成長期でエネルギーを多く必要とします。そこに長距離の練習が加わることで、通常の子の1.2〜1.5倍の栄養が必要になることも珍しくありません。
とくに大切なのは、
- 走るためのエネルギーをしっかり作ること
- 筋肉や骨の成長を止めないこと
- 疲労をためない体づくりをすること
息子の場合、食べた分だけ動くので食べても食べても追いつかないことも。そのため、練習量が増えるほど、食べる力も走力の一部になると言っても過言ではありません。

「食べられる体づくり」も長距離キッズには欠かせないので、日々食事を作るときに気をつけていることを紹介します。
長距離に強い体を作るために必要な5つの栄養素
① 炭水化物(エネルギー源)
小学生ランナーに最も不足しやすいのが、エネルギー源となる炭水化物です。
長距離は走っている時間が長い分、エネルギー消費も多く、糖質が足りないと途中で失速したり、レース後の疲労が抜けにくくなったりします。そのため、エネルギー源はしっかり摂りたいです。
主な食材: ごはん・パン・パスタ・うどん・芋類(じゃがいも・さつまいも・さといもなど)
毎食炭水化物を摂ることはもちろん、練習時に走る量が多くなる秋冬は、炭水化物の量を多くします。
とはいえ、まだ体が小さいので一気にたくさん食べるのが難しい日もあります。そういうときは、「とろろご飯」や「じゃがいものポタージュ」のようにすりつぶして、食べやすいようにします。



エネルギー吸収が早い「干し芋」をおやつにすることも多いです。おいしくてパクパク食べられるし、持ち運びやすいので練習中や前後の補食としても役立ちます。
② タンパク質(筋肉の材料)
スポーツキッズにとって、タンパク質もとても重要な栄養素です。成長期のタンパク質不足は、身長の伸びや筋力にも影響するうえ、現代人のタンパク質摂取量はとても少ないと言われています。
年齢や性別によって摂取量の目安は異なりますが、意識せず食事を摂っていると不足します。
| 年齢 | 1日の推奨量(g) |
| 3〜5歳 | 25〜30 g |
| 6〜7歳 | 30〜35 g |
| 8〜9歳 | 35〜40 g |
| 10〜11歳(女子) | 40〜45 g |
| 10〜11歳(男子) | 45〜50 g |
| 12〜14歳(女子) | 45〜50 g |
| 12〜14歳(男子) | 55〜60 g |
主な食材: 肉、魚、卵、大豆、乳製品



完全栄養食ともいわれる卵は毎日取り入れるようにしています。 朝食や夕食に卵を1つ入れるだけでタンパク質の底上げになりますし、どんな料理にも合うのでおすすめ。
また、子どもで一度にたくさんのお肉や魚を食べられないこともあるので、豆腐や納豆もよく使います。豆腐は冷奴などで出す時もあれば、崩してとろみをつけた温かい出汁をかけてツルッと食べやすいようにすると、練習で疲れているときでも食べやすいようです。
③ 鉄(スタミナの決め手)
長距離キッズはとくに「鉄」が不足しやすいです。走っていて地面に接地するときに赤血球が壊されることや、発汗によって鉄分が減少。鉄が不足するとヘモグロビンが減って、酸素を運べず持久力が落ちると聞いてからは、鉄分摂取を意識しています。
鉄分を多く含む食材には、レバー・赤身肉・ほうれん草・ひじきなどがあります。吸収がよいヘム鉄はレバーや赤身肉など、動物性の食材に多く含まれています。



鉄を含む食材を一度にたくさん食べるのがむずかしいことも多いので、吸収率をアップさせることが大切!
ブロッコリーやキャベツ、 みかんなどのビタミンCを多く含む食材と一緒に食べます。野菜をたっぷり入れたお味噌汁やおひたしなど簡単で子どもにとっても食べやすいメニューで取り入れてみて。
④ カルシウム(骨の土台)
長距離は、脚への負荷も大きいので骨強化も意識しています。息子は食事のときに好んで牛乳を飲んでくれます。それにプラスして、おやつとしてチーズやヨーグルトを食べることも多いです。練習後のおやつとしてアーモンドフィッシュを食べることもあります。
タンパク質のイメージが強い豆腐にもカルシウムが含まれています。豆腐は、お味噌汁やサラダなど手軽に取り入れやすいので、よく食べていますよ。
⑤ ビタミン・ミネラル(疲労回復)



親子ともに練習と同じくらい大切にしているのが「体調を崩さないこと」です。
過去に風邪を引いて1週間きちんと練習ができず、元に戻すのに1ヶ月ほどかかったことがありました。練習しているのになかなか調子が戻らず、メンタル的にもとても大変でした。
これは、毎日練習をしている子ほど、数日練習できないことが響くのだなと実感した経験でした。けれど、練習を頑張っている子は疲れも溜まりやすいので、疲労回復への意識も欠かせません。
ビタミンB群やビタミンCをCをしっかりとって、疲労回復と免疫力アップを意識しています。
練習前後に意識したい食べ方のコツ
練習前(2〜3時間前):燃料補給
練習の直前にたくさん食べると気持ち悪くなったり、長距離を走っているときにさしこみがきたりするので、数時間前までに食べ終わるようにしています。そんなに時間があけられないときは、練習前の食事を少なめにしています。
練習をするためのエネルギー補給をしたいので、炭水化物をしっかり摂るようにしています。基本的には、ご飯+おかず+汁物。我が家はパンはあまり食べません。
レースの日や走り込む練習の日は、うどんにすることも多いですよ。練習が食事よりもかなり時間があいている(むしろ次の食事に近い時間)場合は、バナナやカステラなどを食べることもあります。



どんなメニューがいいか迷ったときは「脂っこいものは避けて、消化の良い炭水化物を中心に」と考えると◎
練習後(30分以内):回復ゴールデンタイム
練習後は、かなりのエネルギーを消費しているのですぐに何かしら食べるようにしています。30分以内に摂取したいので、練習場所に持っていけるものが中心です。



練習直後は体が栄養を吸収しやすいので、エネルギー補給しておくと疲労回復が早くなりますよ。
息子は、自主練で家のすぐ近くにいるときは、帰ってきて牛乳を飲むのが好きみたいです。運動後の牛乳は格別に美味しいんだとか。運動後に牛乳を飲むのは、筋肉の修復やミネラルの補給にもなるので、理にかなっています◎
我が家が実践している「長距離キッズごはん」習慣
練習をしっかりこなしたり、レースで本領を発揮したりするために、日々の食事に気をつけていますが、「こうしないといけない!」と頑張りすぎると大変でサポートが長続きしません。
すごくしっかり栄養管理する日もあれば、全く気にしない日があるなど日々の差が出ないように「簡単に取り入れられることを習慣化する」ことを意識しています。
- 朝は必ず主食+タンパク質(卵・納豆・チーズなど)
- 練習のある日は主食を10〜20%増量(練習後のおにぎりなどで増やす)
- 鉄分が不足しないように意識する(食事・ドリング・サプリメントなど)
- 発酵食品(ヨーグルト・味噌・塩麹・納豆など)を意識して摂って免疫力UP
- 疲れていてたくさん食べられないときはスープを。ビタミン補給にはフルーツも◎
「完璧を目指すより、続けられること」が長距離キッズの成長には大切です。
まとめ:食事は長距離キッズの見えない“武器”になる
我が家で意識している「基本の食事」について紹介しました。長距離は体力もスタミナも必要なので、走力アップの裏には、必ず“食事の積み重ね”があると考えています。
小学生のうちは成長期でもあるので、不足させない食事が最も大事です。
「食べたものが走りになる」と感じられると、子ども自身も食事への意識が高まって、普段自分が何を食べるのか、何を食べればよいのかを自然と考えられるようになります。


